平成16年12月 定例会(質問)

質問1. 来年度予算編成について。

 平成16年度の予算では、国の改革断行予算と同調して、地方財政対策は地方交付税等の大幅な削減結果となり、本市においても10億円規模の財源の減少を余儀なくされ、極めて厳しい予算編成となった。最近では、景気が回復基調にあると言われており、国税では増収が見込まれているようであるが、来年度の地方財政対策、とりわけ地方交付税の確保が懸念されている。また、10月の台風23号災害の復旧に当たっては、全力で取り組まれているところであるが、復旧費用は多額を要するものと推察する。こうしたことから財源の確保は極めて厳しいものになると考える。来年度の予算編成に当たっては、どのような方針で取り組まれるのか。

答弁1.

 今年度に引き続き極めて厳しい歳入見通しが必死である。特に台風23号災害に伴う復旧事業については、最優先課題であり、既に今年度補正予算において生活支援経費や応急復旧経費など、約13億円を措置したが、さらに本復旧事業等、相当規模の予算措置が必要となり、財政運営に大きな影響が生ずると考える。従いまして、将来にわたる健全財政の堅持をまず基本とした上で、総合計画の具現化に向けて議論し、英知を結集する予算編成に取り組む。このため、既存の政策の徹底した洗い直しを行い、経費節減に取り組む上で、義務的経費を除く経常経費及び投資的経費については、マイナス10%のシーリングを設定し、優先度の高い事務事業に財源の重点的配分を行うよう考えています。

質問2. 台風23号について。

 本市は、水道水源の85%を由良川に頼っている。この水源にも大きな傷跡を残し、取水上から上福井浄水上に水が送れなくなった。取水上には、舞鶴系、福知山系の2つの電気供給設備はあるものの、自家発電設備は設置されていません。計画の半分でも送水するための自家発電設備が必要と考える。また、各配水地にも課題はあると聞いています。二箇取水上への自家発電設備整備、制御装置などの浸水対策等、今後の対応策について、また、榎配水地の容量は4時間分と聞いているが、今回の台風による断水や浄水場での事故に備え、市民へのライフラインとしての安定給水を図るためには、今後どの程度の拡充整備が必要とお考えですか。

答弁2.

 先の台風23号では、約2万3,000戸が断水する事態となり、市民の皆様に多大のご迷惑をかけたことに対し深くお詫びを申し上げますと共に、復旧・給水活動など、陸上自衛隊をはじめ関係市町Bの皆さんなどから多数のご支援をいただき、心から御礼申し上げます。さて、停電対策としては、市民の生活用水を確保する上からも必要と認識しています。また、電気設備のある管理棟の出入り口、それから換気口等を洪水時には閉鎖し、当面は河川水位が約13メートルまで対応できるよう改修します。榎配水地は旧海軍により昭和18年に築造され、その後、一部を整備改良したもので、容量は6,000立米で、東舞鶴及び中舞鶴地区の給水量の約4時間分の容量であり、耐震性能もありません。また、配水地容量については、国のガイドラインでは、計画最大給水量の12時間分以上の機能を持たせることが望まれており、東地区では約1万1,000立米の増量が必要と考えている。仮に増量確保ができると、今回の台風でも断水を回避できたものと考えています。さらに、災害や管路事故に対しても、今まで以上に安定給水ができることとなります。いずれにしても、自家発電設備の設置や抜本的な浸水対策、配水地等の整備には相当規模の財源確保が必要であり、現行の料金水準の検討も含め、資金の調達方法等、財政計画を早急に樹立し、健全な事業運営に努め、安定給水に万全を期していきます。

質問3. 大学連携センターについて。

 総合計画において「大学連携センター構想」の実現が最重要政策の一つとして、これまで約20校の高等教育機関と地学連携事業を実施をされてきた。こうした経過と実績を踏まえ、本年7月、全国初の地域発の大学連携センターの中心組織として、京都・まいづる立命館地域創造機構(MIREC)が西総合会館に設立をされました。大連市と友好都市交流を20年以上続けていますし、水環境の悪い同市に対して、平成12年頃から国際協力機構「草の根技術協力事業」として水道技術指導を毎年行っており、わが国の国際技術協力として高く評価をされている。このように、大連市をはじめとする中国北東アジアが抱える水事業に対して応えることは、市内の造船業をはじめとする技術をもってすれば可能あると考えますし、地域の活性化につながるものと、MIRECの活動に期待をしています。大学連携せんたー、MIRECの進捗状況は。

答弁3.

 京都・まいづる立命館地域創造機構については、地域と大学の新たな仕組みであります大学連携センターの中心組織として、また、北東アジア地域との連携交流や地域産業の活性化を目的に、本年7月に設立をしたものであります。この機構における様々な研究につきましては、立命館大学に委託をしており、現在、舞鶴港を拠点とした物流の活性化策に関するものや、中国・韓国からの観光誘致、さらには市内の中小企業が有する技術を活用した新商品の開発など積極的に取り組まれている。また、これらの研究に当たっては、中国・大連市の経済研究センターなど、国内外の研究機関と連携されるとともに、舞鶴高専やポリテクカレッジ、京大水産実験所など、市内の高等教育機関や企業関係者も多数参画をされている。先頃、経済産業省から認定され、新たな技術開発を事業化するための研究助成金を受けることが決まるなど、内外での機構の取り組みに対する認識や理解も深まってきている。このたび、これらの研究の中から新技術が開発され、近く、この機構と市内の高等教育機関、市内企業が、環境やIT関連などの5件程度の特許を出願されると伺っている。これらの研究開発が本市における新たな産業興しに結びつくなど、地域活性化に寄与し、今後とも地域の持続的な発展の基礎となるよう努力します。

質問4. 教育について。

 今、教員を取り巻いている状況は、厳しさを増しております。文部科学省の指導力不足教員の人事管理に関する取り組み状況では、指導力不足教員として認定した人数は、平成12年度65名、13年度149名、14年度289名、15年度には前年度より約200名増え、481名となっています。もちろん、本市で情熱ある先生が、魅力ある授業作りに頑張っておられることも、日々、学校でふれあう中で感じています。現在、指導力に課題を有する教員に対して、教育委員会として、教員の指導力向上のためどのような取り組みをされているのか。

答弁4.

 教員の資質の基礎となるべき人間性の高まりや社会性の広がりを高めるため、校内の研修にとどまらず、社会福祉施設や民間企業での研修の機会を設け、その資質向上に努めている。次に、専門性の高まりを身につけるためために、管理職や指導的力量を持つ教員を指導者として、改善すべき事項を明らかにし、指導を行ったり、教員相互の授業を公開し、個々の課題を明らかにし、指導力の向上に向けて研修を行っている。そのほか、教職経験に応じた研修と職能に応じた研修を柱に、児童・生徒ひとり一人の自己実現を図り、学級の質を高めるための学級経営研究会や、人権教育研究会、学力をつけるための学力充実研究会等の研修機会を設けると共に、指導主事による学校訪問において指導助言を行っている。今後、さらに校長を中心とした取り組みを進め、活力ある学校教育を推進するため学校と教育委員会が常に緊密な連携を図りながら、学校教育に寄せられる期待に応えられるよう努めます。

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