平成18年 3月 定例会(質問)
質問1. 赤れんがを活かしたまちづくりについて
最近、明治や大正時代につくられた近代化遺産を保存し、活用する取り組みが全国各地で広がっています。地域の歴史や文化を今の時代に伝える建造物などを地域資源として見直し、地域活性化策として、まちづくりに活かす試みであります。赤れんがを地域の「個性」「宝物」としてとらえ、約20年前から市民による赤れんがのまちづくりが展開され、市においても明治時代に建造された北吸地区の赤れんが博物館、市政記念館として整備がなされ、平成5年の開館以来、本年2月末までに赤れんが博物館は78万3,596人の来館があり、また、市政記念館も数多くの市民に利用されています。現在、来春のオープンを目指し、(仮称)智慧蔵の保存・改修が進められています。こうした中、平成18年度予算には、(仮称)智慧蔵の整備と旧商工会議所の撤去工事が計上されています。そこでお尋ねしますが、今後の赤煉瓦倉庫の活用の方向や考え方についてどのようにお考えなのか伺います。
答弁1.
明治や大正の香りを現代に伝える貴重な資源として、また、重要文化財級の大変価値ある建物として、文化庁はもとより、多くの皆様から高い評価を受けています。このような中、赤れんが博物館と市政記念館の2棟を保存・再生すると共に、現在、歴史文化遺産の展示とまちづくりの拠点施設として、(仮称)まいづる智慧蔵の整備を進めています。また、市民の皆様が主体となって、赤煉瓦ジャズ祭や赤煉瓦フェスタの開催、赤れんがロードの再生などが進められ、市民と行政の協働によるまちづくりが進められています。4月以降は、市政記念館をNPO法人赤煉瓦倶楽部舞鶴が指定管理者として運営されることとなっており、定住人口を増加するため、とりわけ、まちの魅力づくりに向けて、赤れんが倉庫群は極めて重要と考えています。今後も多くの皆様のお知恵をお借りし、民間による運営手法や周辺の環境の整備も踏まえ、総合的な視点で取り組み、名実ともに赤れんがのまちとして全国に名をはせ、地域力の向上に努力します。
質問2. 農山村を活かしたまちづくりについて
最近、都市と農村の乖離といいますか、財源がなくなってくると、「我々が稼いだ金を地方にやらなければならんのだ」と言うような話がでてきます。金がなくなってパイの奪い合いが顕著に見られます。しかし、農山村の機能に対する理解を、都市の方もわかってきているのではないかと思っています。本市においても、それぞれの地域で懸命に先祖代々からその機能を守り支えているわけであります。すなわち、山や川の存在を守ることが地方の役割であります。国や府、市との連携を通して、農山村を活かしたまちづくりを進めなければなりません。今年の夏にオープン予定の舞鶴市農業公園「舞鶴ふるるファーム」に新たな期待と夢を膨らませています。ソフト面ではどのようなニーズを把握し、その状況はどうなっていますか。また、どのような取り組みにより都市住民との交流を果たそうとされていますか。
答弁2.
瀬崎地区でこの夏にオープンを予定しております舞鶴ふるるファームは、農業生産から加工、飲食、体験、物販までを一貫して行うアグリビジネスや滞在型市民農園を中心とした、都市と農村交流における本市の拠点として整備をしています。内閣府が昨年、全国の成人3,000人を対象に調査した世論調査によると、平日は都市、週末は農山漁村という生活を希望する人は約4割に達し、この中で50代は約5割にもなると発表されています。このように、団塊の世代を中心に、都市住民の農山村に対するニーズは非常に高いものがあります。府内初の滞在型市民農園は、2月の募集開始以来1ヶ月余りで、既に募集区画数の17区画を超える応募状況であり、京阪神地域在住者を中心に高い関心をもって頂いています。地域住民との交流も収穫祭や栽培講習会などの行事や日常の農業指導等により積極的に推進していきます。また、地域の食材による自然レストランや加工体験工房などの運営に関しても、全国的に著名なアグリビジネスの実践者にプロデュースしていただいており、食と農の活動の場として、来訪していただいた方々に共感と感動をもたらす拠点施設となることを期待しています。
質問3. 可燃ゴミの有料化について
総合計画基本計画に掲げた市民と共に目指す目標は平成17年度においては、ゴミの総排出量3万2,500トン、ゴミの資源化率15%の達成を目標に進められてきました。有料化の実施については、台風23号の被害の影響により、下半期に延期をされ実施をされてきたところでありますが、約5ヶ月間が経過をした現在において、その数値が気になるところであります。1つに、有料化に掲げた数値目標との関係はどのように推移をしているのか。2つに、有料化による地域集積場におけるルール違反はないのか。3つに、不法投棄の現状はどうなのか。4つに、指定ゴミ袋のサイズと数量は市民ニーズにあっていたのか。
答弁3.
本市では昨年の10月より可燃ゴミの有料化を実施させていただきました。可燃ごみの排出量は、昨年同期と比較しますと3割ぐらい減少しています。目標の達成見込みですが、台風23号の関係で有料化の導入が半年ずれ込んだにもかかわらず、ごみの排出量は3万3,000トン、資源化率14%になるものと予測し、目標に近いところでほぼ達成できたものと考えています。また、ごみの排出のルール違反や不法投棄については、ごみの集積場での大きな混乱もなく、不法投棄についても監視パトロールの結果を見る限り、増加はほとんど認められません。指定袋のサイズにつきましては、市民ニーズに合ったものであると考えていますが、供給面において、取扱店への応募が当初の予想以上に多かったことなどから、指定袋が分散する結果となって、一時期、店頭で不足を生じて、皆様に大変ご迷惑をおかけしました。今後、このようなことのないよう万全を期しながら市民の皆様と協働のもと、ごみの減量を進めていきます。
質問4. 就学前教育と小学校連携の強化について
急速な少子化の進行と子どもを取り巻く環境の変化に伴い、生涯にわたる人間形成の基礎となる就学前教育・保育の取り組みについて適切な対応が求められています。遊びを通して総合的な指導がなされる就学前教育と教科学習等の指導を中心とする小学校教育への移行を円滑にすることが課題となっています。幼児期から小学校へ移行する際、子どもの成長・発達は連続しているにもかかわらず、幼児期の教育と小学校以降の教育の間に、必要以上の段差や相互理解の不足が見られるのが現状です。つまり、幼・保・小連携を進める上で最も重要なことは相互理解であり行事や交流などはその手段の一つであることを心得、適切な対応がなされ、子どもの健やかな成長を支えていかなければなりません。就学前教育と小学校との連携の現状はどうなっていますか。また、今後の取り組みはどのように考えていますか。
答弁4.
幼児期は心情や意欲・態度、基本的な生活習慣など生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期と言えます。幼児教育の今日的課題として、幼児教育を構成する家庭や地域の教育力の低下が指摘されており、子どもの育ちに変化を及ぼしてきています。小学1年生などの教室において、学習に集中しにくい、教師の話が聞けず授業が成立しにくいなどの状況も見受けられます。これまで、就学前教育機関と小学校との連携として、小学校入学前に保育所・幼稚園・小学校教職員による連絡会を開催するほか、体験入学を通して、幼児と児童との交流により相互の連携に努めてきました。今後とも、相互理解を深めるため、子ども同士の交流や指導者の保育あるいは授業の相互参観の促進などにより、円滑な接続ができるよう連携の充実に取り組みたいと考えています。